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あまり堅苦しい話は無しにします。
私たちが取り扱っているワインの産地・カナダのケロウナという町に住みながら、仕事や生活にワインが関わってくる中から、何となく感じたことや出来事、その時々のトピックを気軽にお伝えするコーナーです。お仕事の合間や、息抜きの一時に軽い気持ちで読んでいただければ嬉しいです。


ワインフェスティバルの注意点とは?   2005年5月8日
 オカナガン恒例のワインフェスティバルが5月5日〜8日に渡り開催された。このワインフェスティバルに関して、日本からの問い合わせを頂く機会が年々増えているように感じるが、それだけオカナガンのワインに対する興味が高まっていることは大変喜ばしいこだと思う。ワインフェスティバルについて、実は気を付けなければならない点がある。一般的に日本人が抱くフェスティバルとは随分と誤差があるということだ。
 ワインフェスティバルの期間中にケロウナやペンティクトンに行けば、それらしいフェスティバルの雰囲気を感じることができるに違いないと信じ込み、毎年フリーの旅行者がケロウナにやってくる。ところが、町の中は普段とまるで変わらない。フェスティバルの看板らしいものも見あたらない。「一体、どこに行けばフェスティバルを見られるのだろう?」と困り果てた旅行者から、私は電話を受け続けるのである。電話の相手に事情を説明すると、受話器の向こうから一様にがっかりした表情が伺える。
ワインフェスティバルの一番の目的は、ワインの仕上がりを多くの人に知ってもらうことであり、彼らが造り上げたワインがどれほど素晴らしいものかということを、実際に料理に合わせて楽しんでもらうことなのである。従って、各ワイナリーは独自にレストランやホテル、あるいは有名シェフを招いて、独自のワインディナーを企画する。春のフェスティバルの場合、4日間に渡って毎晩いたるところでワインディナーが楽しめるようになっている。ところが、完全予約制となっており、たいていの場合はほとんど予約で埋まってしまう。基本的にはフルコースの高級ディナーであり、ドレスコードも必要な場合もあるため、なんとなくフラリと訪れた日本人旅行者にとっては敷居が高くなってしまう。しかし、アメリカやヨーロッパの旅行者はこうした扱いに慣れているようで、実にスマートにワインフェスティバルを楽しんでいる。
 フェスティバル期間中のワインディナーの一人前料金は、安いもので50ドル前後、高いものだと100ドルを超えるものもある。フルコースのディナーになると、前菜からデザートまで7種類の料理と、それぞれの料理やデザートにカップリングされるワイナリーお勧めのワインがサーブされる。料理の内容とワインの組み合わせからすれば、たとえ100ドルを超えても実は「超格安」の値段なのだ。欧米人はこうしたことを理解しているので、ワインディナーは早期に予約で埋まってしまう。何となくフラリと訪れたフリー旅行では、オカナガンのワインフェスティバルを楽しむことができないという理由がここ
試飲会場で来場者にワインをサーブする私
にある。しかし、フラリと訪れた旅行者にも楽しむ方法がひとつだけある。一般消費者対象の試飲会を狙うことだ。これはケロウナで1日だけ開催される。今年は5月7日の夕方6時からワインミュージアムで開催された。この試飲会も事前のチケット制のため、あらかじめチケットを購入しなければ会場に入ることができないが、運が良ければ当日でも若干数のチケットを販売してくれる。
 さて、今年のフェスティバルの試飲会場内には41社のワイナリーがカウンターを並べ、それぞれが得意とするワインを来場者にサーブする。私は毎年この会場に常駐し、取引先のワイナリーのカウンターに立ちながら、来場者が差し出したグラスに好みのワインを注いでいく。今年は約400名の来場者があったということだが、年々、その数が増えているように思う。すでに会場は狭すぎる雰囲気すら感じさせる。春のオカナガンワインフェスティバルは今回で11回目となったが、最初の頃に比べると盛り上がりは増すばかりであるが、ひとつだけ残念なことがある。各ワイナリーは、この試飲大会にアイスワインを出さなくなってきているということだ。私が初めて参加した6年前のフェスティバルでは、ほとんどのワイナリーがアイスワインを出品し、来場者に試飲をさせてくれていたが、年々アイスワインを出さないワイナリーが増え、昨年はアイスワインを出したワイナリーは大手の一社だけとなり、今年はとうとう全てのワイナリーがアイスワインを用意していなかったのだ。2001年、2002年と連続してオカナガン地方は暖冬の影響でアイスワインの出来高が落ち込んだため、市場在 庫が稀薄になっているのが原因だ。もっとも、1月に行われるアイスワインフェスティバルにおいても、アイスワインを出品できないワイナリーが多いことを考えると、春のワインフェスティバルでアイスワインを試飲できないのも無理はないかもしれない。
 今回のフェスティバルは、昨年収穫されたブドウから作られた2004年産の白ワインが目玉になる。2004年産の赤ワインはまだ樽の中なので、春のフェスティバルは新種の白ワインを目当てにしたワインファンが、この会場に集まるのだ。2004年産は良好な天候に恵まれ、平均以上の仕上がりになっているという評価である。オカナガン地方の2004年産白ワインは、清涼感溢れるカナダらしい味わいを楽しめることだろう。



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