アイスワインの模造品や類似品について
現在の日本では驚いたことに、「アイスワイン」と名乗る偽物や類似品の多いこと! 日本にはアイスワインを定義する法律が無いので、人体に悪影響のある薬品を入れない限り、違法になりません。(これが一番の問題なのですが) 適当なワインに、商品名として「アイスワイン」と名付けた品が、日本では年々多くなっています。もちろん、味は本物のアイスワインとは別物です。
私はカナダ産アイスワイン専門ですから、一見して判別がつきますが、一般消費者の方に、その見分けは難しいかもしれません。恐いのは、売っている側が、偽モノ、類似品と知らずに仕入れて、お客さんに販売しているということです。アイスワインは高価なワインですから、正直言いまして、気軽に購入できるワインではないかもしれません。それだけに、せっかく買うなら、間違いの無い品物を購入して頂きたいと思います。
まず、典型的な例ですが、フルーツアイスワインと称されるものは、完全な偽物です。(ストロベリーアイスワイン、ラズベリーアイスワイン等) ただの果物ワインが、「アイスワイン」と名付けられ、5000円前後で堂々と売られています。これはアイスワインではありません。
国産のアイスワインは、大型冷蔵庫の中で人工的にブドウを凍らせたという触れ込みになっている品もありますが、人工的に凍らせた品は、カナダ、ドイツでは違法行為とされ、その行為自体が堅く禁止されています。つまりはインチキと自ら露呈する意味になるわけです。冷蔵庫で凍らせたブドウは、水分と果糖が果実内部で分離しませんから、出来上がっても水っぽいだけで甘さもない、極普通の甘目のワインになるのがオチです。
カナダ産の怪しいもの。カナダではとてもアイスワインと言えないワインが、日本で「アイスワイン」と称されて売られています。これは厄介です。購入する先のお店やデパートで、販売員に尋ねてみるといいでしょう。 「とっても甘くて美味しいワインです」程度の説明しか出来なかったり、いかにもマニュアルを暗記したような説明しか出来ない所からは、買わないほうがいいです。
アイスワインは高価なワインです。高価なワインには、高価な意味を持つだけのストーリーやロマンがあるものです。そうしたロマンを語れない所から買うのは、支払う金額に見合わないと思います。アイスワインのストーリーやロマンは、とても魅力的なものです。せっかく買うのなら、そうしたロマンも一緒に味わって頂きたいと思います。100円、200円ならともかく、1万円前後もするような高級ワインを買うのですから、衝動買いは慎んでいただき、じっくり吟味しながら、徹底的に質問を浴びせかけてみてください。返答に窮するようなら、買わないほうがいいです。
「甘いワインです」とか、「とっても美味しいです」程度は誰でも言えます。品種と年代、作られたワイナリーによって、アイスワインの味わいは、初心者でも分かるくらいに歴然と違ってきます。**ワイナリーの2000年産リースリングのアイスワインと、**ワイナリーの1999年産ピノブランのアイスワインとでは、どう違いますか?どちらが美味しいと思いますか? どちらがお勧めですか?というくらい厳しい質問に、自信を持って答えられる所でないと、安心して購入に至らないと思うのです。
無目的に買うには、高い金額ですから、くれぐれも慌てずに、慎重なお買い物をすることが騙されないコツです。特に日本には、類似品、偽物が多いですからお気をつけください。
また、ネット上でもアイスワインを名乗った偽物や類似品が多く、そうした品物を購入してしまい、「あれ?これって本当にアイスワインなの?」と疑問を持つ方々から、相談のメールを頂いています。中には、そうした偽物、類似品を知らずに仕入れて、販売している酒屋さんから、「コレって本物ですか?」と問い合わせを頂くこともあるほどです。
ここで、不思議なことがあります。それは、「コレって本当にアイスワインなの?」と疑問に感じたということは、あまりにも本物のアイスワインと味がかけ離れている、ということだと思います。アイスワインは天然のブドウ果糖エキスだけを自然状態で抽出して、それを醸造したワインですから、味わいは信じがたいほど濃縮された感動の甘さがある訳で、これがアイスワインの魅力、人気になっております。
ところが、類似品や偽物は単に商品名として「アイスワイン」を名乗っていますから、消費者が混乱してしまい、その結果、本物のアイスワインだと思い込んで買ってしまう、というケースが頻発するわけです。アイスワインは、厳しく管理された法律が存在する、ドイツ、オーストリア、そしてカナダの3国でしかその名前を名乗ってはいけないという、国際商標登録がされ、パテント、ブランドになっています。ところが、こうした法律の存在しない国、アメリカやオーストラリア、そして日本では、アイスワインでも何でもないワインのラベルに、アイスワインと名付けている傾向が、近年、多く見られます。
現在、日本国内でも、数カ所のワイナリーがアイスワインと全く違うワインをアイスワインと名乗って売っています。アイスワインは、英語でも、フランス語でも、ドイツ語でも、日本語でも、3カ国(カナダ、ドイツ、オーストリア)のパテントになっています。これは、言い方を換えると、以下のようなことと同じです。
ある業者は、オーストラリアから牛肉を輸入した。そして、その牛肉が良く売れるために、「松阪牛」という商品名にして売った。
これと同じです。ただ、仮に類似品や日本で作られたアイスワインなるワインが、本物のアイスワインと何ら遜色のない味わいだったとしたら、それはある意味、立派ですし、堂々と世界にアイスワインを作っている、ということを主張し、認めてもらえば良いのです。ところが、それら類似品、偽物のアイスワインは、私も帰国のたびに、日本で試飲を繰り返しますが、とても本来のアイスワインの味わいに達していません。
問題は、そうした類似品、偽物アイスワインを本物と信じて飲んでしまった結果、「アイスワインなんて美味しくない」という観念を持たれるのが、実は一番恐いのです。アイスワインは、普通のワインを造るブドウの量から、僅か10%しか造る事が出来ない貴重なワインで、しかも人気があるため世界各国から取引が殺到しますから、販売価格がどうしても高くなってしまいます。普通のワインよりも数段高いアイスワインを買うのですから、くれぐれも慎重に吟味してください。また、そのためには、商品知識の乏しいお店、店員さんは、敬遠した方が賢明です。 |
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